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2023.12.05

院長ブログ

歩く速度で将来の糖尿病のリスクが変わる!?

みなさん、こんにちは。

まにわクリニック院長の馬庭です。

突然ですが、あなたは歩くのが早いですか?
もし歩く速度と将来の糖尿病の発症リスクに関係があると知ったらどうしますか?

今回は最近発表されたメタアナリシスのデータをもとに解説します

1. 糖尿病とは?

糖尿病とは、血糖を下げるホルモンであるインスリンが十分にでない、もしくは十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖(グルコース)が増えてしまう病気です。

通常は空腹時血糖値(検査当日の朝食を取らずに測定した血糖値)が110mg/dl未満、75gのブドウ糖負荷試験で140mg/dl未満が正常と判断されます。この基準からずれてくると、血糖の調節に障害がある(耐糖能異常)と判断されます。

糖尿病は遺伝的な要因に加え、生活習慣の乱れが続くことで生じる疾患です。

日本では年々糖尿病患者が増加しており、厚生労働省の発表では「糖尿病もしくは糖尿病の可能性が否定できない」方は

約2,000万人

日本にいるとされています。

糖尿病で怖いのは、その合併症です。
神経症、網膜症、腎症などが有名です。

2. 歩行速度が将来の糖尿病発症リスクを決める?

今回ご紹介するデータは2023年11月28にBritish jornal of Sports Medicineに発表されたメタアナリシスの結果です。
メタアナリシスとは、関連性が高い複数の論文のデータを解析する方法です。単一の研究では患者数や地域性などによって結果が一致しない場合があるため、より信頼性の高いデータと言えます。

今回は歩行速度と、将来の2型糖尿病発症率(中央値8年)を比較した10の観察研究から解析されています。

結果は、ゆっくりと歩く人(歩行速度が3.2km/時間未満)の人と比較して将来の糖尿病発症率が

● 平均的な歩行速度の人(3.2~4.8km/時間)で15%減少

● はや足の人(4.8~6.4km/時間)で24%減少

● かなりはや足の人(6.5km/時間以上、ほとんど小走りレベル)で39%減少

も低下するようです。

はや歩きの人は活動量も多いから糖尿病の発症率が下がっているだけではとの疑問に対しては、いずれの群でも身体活動量に差がないことで答弁してくれています。

3. 院長からの提案

これまでは、「週に〇〇日、〇〇時間あるきましょう」
というような提案が多かったと思います。

今回の研究結果から、時間の確保が難しい人に対しては、

「移動するときの歩行をはや歩きにしましょう」

と提案するのもよいのではないかと考えます。

データを見ていると、4km/時間以上の速度で歩くことで、より効果が得られそうです。

糖尿病

いかがでしたでしょうか?

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。

箕面・船場・千里中央・吹田・豊中にある まにわクリニックでは、血液検査や食事内容から栄養状態を解析し、栄養サポートを行っております。

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