Corona aftereffects
コロナ後遺症外来
新型コロナウイルスのパンデミックが起こって早くも数年が経ちました。5類感染症にも移行し、生活も日常に戻ってきていると思います。
しかし、中には新型コロナウイルスにかかってしまい、その後の後遺症で悩まれている方も多いのではないでしょうか?
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コロナ後遺症でお困りのあなたへ
新型コロナウイルスに感染すると、10人に1~3人が後遺症で悩まされていると報告されています。
後遺症の定義にはさまざまなものがあり、まだ定まったものはありませんが、一般的には新型コロナ感染症の発症から4~12週経過しても症状が続く場合や新しい症状がでてくる状態のことを「コロナ後遺症」と呼ばれています。
後遺症は決してお年を召された方だけのものではありません。20代で1~2%認めることが報告されています。 -
新型コロナ感染症後遺症の症状
主な症状には
● 倦怠感
● 頭痛
● 注意障害
● 脱毛
● 呼吸困難
● 味覚障害
● 睡眠障害
● 咳
など、多岐にわたっています
それ以外にも関連があるとされる症状を一覧でまとめてみました。
全身 疲労、筋肉痛、関節痛 神経 認知機能低下、頭痛、神経痛、痙攣、パーキンソン病の症状、ギラン・バレー症候群、横断生脊髄炎、ミオクローヌス、運動失調、味覚障害、感冒後異嗅症、嗅覚障害 呼吸器 呼吸苦、運動能力低下、咳、拡散能低下、拘束性肺障害、間質性肺炎 血液 血栓塞栓症、リンパ球減少 循環器 心機能障害、不整脈、心筋炎、冠動脈瘤、心筋線維化、動脈硬化 精神 不安、うつ、不眠、PTSD 腎臓 腎血漿流量低下 皮膚 休止期脱毛症、湿疹 内分泌 糖尿病、亜急性甲状腺炎、橋本病、バセドウ病、骨がとける 消化器 肝酵素上昇、吐き気、下痢、腹痛、腸内細菌叢異常、腸透過性亢進 自己免疫 さまざまなタイプの自己免疫性疾患、抗リン脂質抗体、多臓器炎症候群
コロナ後遺症を発症するリスクとしては、コロナ感染症の重症度、女性、年齢、基礎疾患などが挙げられています。
ただし、これらのリスク因子を持たれていなくても後遺症を発症してしまう方は存在しており、リスク因子が無いからと言って安心はできません。
英国の住民調査では、7万6000人のコロナ患者を解析したところ、37.7%の人が12週以上にわたりなんらかの症状を有していたことが報告されています(REACT-2 Trial)。
また、新型コロナ感染症に罹患すると、高血圧症を1.81倍、糖尿病 2.47倍、睡眠時無呼吸症候群 1.1倍、疲労 2.2倍罹患しやすいことが示されています(augherty SE, et al. BMJ 2021;373:n1098)。
若年者でも精神疾患、不整脈、高血圧、糖尿病、記憶障害などのリスクが上昇することも報告されています。 -
なぜ後遺症がおこるのか?
諸説ありますが、以下にあげるようなことが原因ではないかと考えています。
● 肺、上気道、心臓、腎臓などへのウイルス持続感染、障害
● 治療薬の副作用
● 感染後の免疫力低下による炎症の持続(慢性炎症)
● 血液凝固が亢進し、血栓症による影響
● レニン・アンジオテンシン系の障害
● 栄養失調
● ミトコンドリア機能障害
● 脳幹の機能障害
小数例の報告ではありますが、新型コロナウイルス感染4~7ヶ月後も腸や咽頭(喉の奥)にコロナウイルスのRNAが検出され、そこでは炎症が持続的に生じていることが述べられています。
炎症は外敵を排除したり、壊れた組織を再生するためには必要な生体内の反応ですが、いつまで経っても炎症が治まらないと、正常な組織や細胞がどんどんと壊されてしまいます。
いま、炎症はさまざまな病気の原因、老化の原因であると報告されており、コロナ感染後に慢性的な炎症が続くことが、コロナ後遺症を発症してしまう一因ではないかと考えられます。
また、コロナウイルスの感染によってミトコンドリアの機能が障害されてしまうことも挙げられます。
ミトコンドリアはエネルギーの生産工場です。つまりミトコンドリアの機能が障害されることで、カラダはエネルギー不足になり、疲労感や息切れ、脱毛などさまざまな体調の不調をきたすことになるのです。
まにわクリニックでは、症状や検査データをもとにお困りの症状に対処しています。
必要に応じて自費の検査やサプリメント、栄養指導なども行い、少しでも早く回復できるようにサポートして参ります。