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2023.07.24
院長ブログ
孤独感は心臓病、脳卒中を増やす!?
みなさん、こんにちは。
まにわクリニック院長の馬庭です。2019年から始まった新型コロナウイルスのパンデミック。
自宅内での生活が多くなり、コミュニティーでの活動が長らく制限されていましたよね。
コロナ禍の間に心臓病や脳卒中になってしまう方が増えた印象があります。
今回、孤独感は心臓病、脳卒中を増やしてしまうという興味深い論文を見つけたのでご紹介します。
1. コロナ禍で対面での活動は減少
コロナ禍では、対面での活動が感染リスクを上げるとして、黙食、孤食、オンライン、3密を避けるなどが叫ばれていました。
当然飲み会や懇親会なども中止され、人との関わり合いが大変薄れていたと思います。
独立行政法人環境再生保全機構がまとめたデータでも、対面でのやりとりや飲み会・懇親会が減少していることが報告されています。
独立行政法人環境再生保全機構のデータより作図
コロナ禍があけたとはいえ、まだまだ以前のように対面での活動が戻り切ったとは言えない状況が続いていると思います。
2. 新型コロナウイルス感染は心血管疾患のリスクを上げる
様々な疫学調査によると、新型コロナに罹患することで心臓病や脳疾患などの発症リスクが増えることが報告されています。
米国退役軍人省の医療データを用いて行われた調査によると、COVID-19非罹患者に対し罹患者は、冠状動脈疾患のリスクが1.72倍(95%信頼区間1.56~1.90)、心筋梗塞が1.63倍(同1.51~1.75)、脳卒中が1.52倍(同1.43~1.62)と報告されています。また、心筋梗塞、脳卒中、全死亡で構成される複合主要心血管イベントは1.55倍(同1.50~1.60)だったそうです。
このデータだけを見れば、対面での活動を避けたくなる気持ちは理解できます。
3. 孤独感が心臓病、脳卒中を増加させる
では、リスクの高い方はこのまま対面を避けて人生を歩んだほうが良いのでしょうか。
2023年に英国のデータバンクを用いて行われた、孤独感と心臓病や脳卒中の発症リスクに関する研究結果があります。
18,509人のデータを用い、心臓病や脳卒中の発症に関わる因子として、どの要因がより重要かを調査しています。
結果は以下の通りです。LDLコレステロールが高い、肥満、腎臓の機能が悪いなどは想像がつきますが、
なんと、「孤独感」が糖尿病や高血圧、喫煙よりもより重要な因子であることがわかりました(Eur Heart J 2023;44:2583-91)。
この論文で定義されている「孤独感」とは、「孤独を感じる」「身近な人に打ち明ける頻度が月に1回未満」とされています。
コロナの感染症を怖がるあまり、人とのつながりを絶ってしまうと、逆に病気のリスクを高めてしまうかもしれません。
4. 私なりの考え
ではどうすれば良いのでしょう。
私なりの考えとしては、しっかりと対策をした上で、コミュニティ活動をこれまで通り行っていくことが重要だということです。
しっかりとした対策とは、
手洗い、うがいをする
バランスの良い食事、適度な運動、良質な睡眠を確保し、自分の免疫力を上げる
体調が優れない時は、無理をしない
ということです。
免疫力をアップするためにはビタミンDやビタミンC、亜鉛をしっかりと補充することも有効です。
いかがでしたでしょうか?
最後までお読み頂き、ありがとうございました。