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2023.10.07

院長ブログ

寿命が長いのはコレステロールが高い人?低い人?

みなさま、こんにちは。

まにわクリニック院長の馬庭です。

健康診断などでコレステロールが高いと指摘されたり、昨今の健康ブームでコレステロールの値を気にされる方も多いのではないでしょうか?

では、実際のデータとしてコレステロールが高いと寿命は縮まるのでしょうか。

今回はコレステロールと寿命について解説します

1. コレステロールのお仕事

カラダの中にある脂質には、コレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸、リン脂質、の4種類があります。

その中のコレステロールは人のカラダの中のさまざまな場所で使用されています。

細胞1つ1つには、細胞膜が存在しています。この膜のお陰で細胞の内側と外側を隔て、機能を維持しています。
細胞膜を形作るにはコレステロールが必須となります。

食べ物に含まれる脂肪成分を消化して吸収するためには胆汁酸と呼ばれる消化酵素が必要です。ここにもコレステロールが使用されています。

血圧や血糖を維持したり、ストレスに打ち勝って生活したり、女性が女性らしく、男性が男性らしい体型を維持し、生殖能力を得るためには、たくさんのホルモンが必要です。
このホルモンのもととなる重要な物質はコレステロールです。

このように、よく悪者にされるコレステロールや中性脂肪は、本来カラダにとっては非常に重要な役割を担っているのです。

2. 血液中のコレステロールと食べ物のコレステロールの誤解

コレステロール健康

よく、「コレステロールが高いと言われたので、卵は食べないようにしています」といったご意見を伺います。

確かに卵にはコレステロールが含まれており、たくさん卵を食べることで血中のコレステロールの値は多少上昇します。

しかし、ここで言う「コレステロールが高い」と「食べ物のコレステロール」は同じではありません。

まず、カラダに存在するコレステロールの多くは肝臓から大部分が作られ、食事由来のコレステロールはわずかです。

また、血液中ではコレステロールや中性脂肪などの脂質はそのままでは運べないので、「リポタンパク質」と呼ばれるタンパク質にくっついて、リポ蛋白コレステロールとして運ばれています。

リポタンパク質とは簡単に言うと、脂質を運ぶトラックのような存在です。

よく「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールは細胞にとって必要なコレステロールを運ぶトラック、「善玉」と呼ばれるHDLコレステロールは細胞であまったコレステロールを回収するトラックの役割を果たしています。

つまり、血液中のコレステロールとは、リポ蛋白コレステロールの総数(脂質+タンパク質+コレステロール)ということになります。

まとめると、血液中のコレステロールの一部がコレステロールであり、さらにその一部分のみが食事から得られたコレステロールということになります。

3. 動脈硬化を進める脂質異常症とは

コレステロール健康

脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪が異常に高くなっている状態や、細胞で余った脂質を回収するHDLコレステロール(善玉コレステロール)が異常に低くなった状態を指します。

正常な脂質レベルは、心血管の健康維持や他の体の機能に重要な役割を果たしていますが、異常な高い脂質レベルは動脈硬化や心血管疾患のリスクを増加させることがあります。

血管の壁に脂質が溜まっていき、脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な病気を招くおそれがあります。

4. コレステロールが高いと寿命は縮まるのか

では、コレステロールが高いと寿命は縮まるのでしょうか?
下に示すグラフは日本で行われた疫学調査となります。

30歳以上の日本人9216人を17年以上に渡って追跡し、血中コレステロールの値と死亡率の関係を調査しています。

コレステロール健康

高齢者ほど寿命が短く、女性の方が寿命が長いため、年齢や性別、高血圧や糖尿病、喫煙歴、アルコール摂取量などが均一になるように調節されています。

また、先にも述べたようにコレステロールは肝臓から大部分が作られるため、肝障害を有する方では血中コレステロールが低くなってしまいます。そのため、同じく肝臓から作られているアルブミンの値も均一になるように調節してデータが解析されています。

たしかに血中コレステロール値が260mg/dl以上の方では死亡率が高くなっていますが、逆にコレステロールが低い人も死亡率が高くなっています。

コレステロールが低い人の場合、ガンやその他の疾患のために衰弱している人も混じっている可能性があるため、肝疾患で死亡した方を除外したデータ(白い棒グラフ)や、調査開始5年以内に死亡した方を除外したデータ(斜線の棒グラフ)では、低コレステロール血症の方の死亡率はやや低下しています。

ただ、全体として言えることは、
コレステロールが高すぎる人は死亡率が上昇するが、高くなるほど死亡率が上昇するわけではない
ということです。
色々な因子を調節しても、コレステロールが低すぎても死亡率は若干上昇するようです。

コレステロールが低いと死亡率が上昇する理由にはさまざまな要因が考えられますが、カラダにとって必要なコレステロールが足りないということは、カラダのバランスを崩してしまい、結果として寿命が縮んでしまうのではないかと考えています。

5. まとめ

まとめると、コレステロールが高すぎるのはやはり良くないと考えます。しかし、コレステロールを下げれば寿命が伸びるかといえば、すべての方には当てはまらないといえます。

その方が持たれている病気、その方の栄養バランスの状態を考えた上で、血中コレステロールの値を調節することが重要であろうと考えます。

そのためには、まず己の状態を知ることが重要ではないでしょうか。

いかがでしたか?

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

箕面船場にある まにわクリニックでは、医師や管理栄養士にて栄養解析、栄養指導を行っています。

脂質のことが心配、実際にコレステロールや中性脂肪が高いなどの指摘された方は一度ご相談ください。

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