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2024.01.20
院長ブログ
1週間減塩すると血圧はどうなる!?
みなさん、こんにちは
まにわクリニックの馬庭です。
歳を重ねるごとに血圧が気になる方が多いのではないでしょうか?
すべての病は血管からとも言われており、高血圧は血管の老化を進めてしまいます。
病院ではよく「減塩してください」と言われますよね。
今回は1週間減塩することでどの程度血圧が低下するかを検討した論文の結果について解説します。
1. 血圧が高いと・・・
食生活の乱れ、運動不足、慢性的なストレスなどの生活習慣の乱れや、ホルモン異常により血圧が上昇すると「高血圧」と呼ばれるようになります。
日本の高血圧有病者数は4,300万人と推定されています。そのうち治療によって良好な血圧がコントロールが得られているのはわずか30%と言われています。つまり、3,100万人の患者様は管理が十分にできていないということです。非常に多いですよね・・・
管理が不十分な患者様の3割の方が「自らの高血圧を認識していない」。29%の方が「認識しているが治療を受けていない」と推定されています。
(高血圧治療ガイドライン2019より)
心臓疾患は死亡原因の第2位、脳血管疾患は第4位であり、高血圧はその疾患原因の1つであることが知られています。
降圧薬の使用歴がない30歳以上の日本人男女8,952人の24年間に及ぶ追跡調査によると、血圧が高いほど循環器疾患、脳血管疾患、冠動脈疾患による死亡リスクが高くなることが報告されています。
Takashima N, et al. J Hypertens 2012
2. 減塩の効果
今回紹介する研究は、アメリカで行われた研究の結果です(JAMA. 2023;330(23):2258-2266. doi:10.1001/jama.2023.23651)。
平均61歳の男女に
「1週間高塩分食」
「1週間減塩食」
をそれぞれ提供し24時間血圧の変化を検討しています。
高塩分食は通常の食事の1日塩分量は12.7g、減塩食では1日の塩分量が3.2gとなっています。
結果は、収縮期血圧が平均8mmHg、全体の75%の方で血圧が低下しています。
1週間減塩するだけで血圧が低下するのですから、その効果は大きいものと考えられます。
ただし、減塩食は3.2gと大変厳しい基準になっています。今の日本人の平均塩分摂取量がだいたい10gくらいであることを考えると、かなり減塩を意識しなければならなさそうです。
3. まとめ
今回は減塩と血圧について解説しました。
もちろん日本人とアメリカ人では塩分に対する感受性(どれだけ血圧が塩分に反応しやすいか)は異なります。
なので日本人では1日の塩分摂取量を何グラムにすれば強い減塩効果が生まれるか、日本人を対象とした研究は必要であると考えます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
まにわクリニックでは、薬だけに頼るのではなく、食生活や運動週間、血液データなどから不足の栄養素を評価して、生活習慣のアドバイスも行っております。
血圧のことが心配、実際に血圧が高いけど治療していないなどあれば一度ご相談ください。