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2024.03.18
院長ブログ
血糖値管理で自律神経を整える
みなさま、こんにちは
まにわクリニックの馬庭です
手足が冷たい、イライラしやすい、寝付きが悪い、肩こりや頭痛がある・・・
そのような症状は自律神経のバランスが崩れているかもしれません。
今回は自律神経バランスが崩れているあなたに、血糖値から自律神経を整える方法をお伝えします。
1. 自律神経とは?
まずはよく耳にする「自律神経」について説明します。
自律神経とは、身体の様々な内臓器官や血管、分泌腺などの機能を調節する神経系のことを指します。
運動神経などと違い、意識的にコントロールすることができません。
自律神経には大きく
● 交感神経
● 副交感神経
に分かれます。
「交感神経」とは、「戦闘や逃走」反応を高める神経です。外敵が現れたときに、戦うのかそれとも逃げるのかを瞬時に判断し、すぐに行動できるよう血圧や心拍数、血糖値を上昇させます。
眼の瞳孔を広げ、筋肉の収縮を増やすなどの働きを行っています。
一方「副交感神経」は、「休息と消化」状態を促進し、リラックスや食後の消化を助けてくれます。
血圧や心拍数を下げ、消化管の動きを高めて体内にエネルギーを保存していきます。
体内では交感神経と副交感神経がバランスを取りながらカラダの機能を維持しています。
また、交感神経と副交感神経のバランスは1日の中でも大きく異なっています。
通常、日中は交感神経が優位に高まっており、夜間就寝時には副交感神経が高まっています。
それに伴って日中に血圧や脈拍が上がり、夜間には下がっています。
2. 自律神経が崩れるとどうなる?
では、自律神経のバランスが乱れるとどうなるのでしょうか?
多くの場合は交感神経が過剰に緊張してしまい、血圧が上がったり脈拍があがったりします。
その結果として、夜間高血圧に至ったり、胸がドキドキするような症状が出現する場合もあります。
血圧を上昇させるとき、重要な臓器に十分に血液が満たされるようにするために手足の末端の血管は収縮します。その結果として手足が冷えるなどの症状を自覚します。
また、過剰な交感神経の興奮のためにアドレナリンが大量に分泌され、イライラしやすくなったり、逆に恐怖感や不安感が増大します。
程度がひどい場合、パニックを起こしたり、不安で夜眠れなくなってしまいます。
それ以外にも筋肉の過剰な収縮のために肩こりや頭痛を自覚したりします。
一方、副交感神経の低下によって消火器の機能が低下し、消化不良や便秘を引き起こします。
また睡眠障害を引き起こし、熟睡感が得られなかったり、夜間に途中で起きてしまう(中途覚醒)などのトラブルを抱えやすくなります。
このように自律神経のバランスが崩れると、不安やうつ症状の増加し、免疫機能の低下などもきたすことが報告されています。
3. 血糖値と自律神経の関係
では、なぜ自律神経のバランスが乱れてしまうのでしょうか。
私が注目しているのは血糖の乱高下です。
通常、食事を摂取すると血糖値は上昇しますが、140mg/dl以上は上昇しないとされています。
これは、血糖の上昇をカラダ察知し、インスリンと呼ばれる血糖値を下げるホルモンが適切に働き、糖をカラダの様々な細胞に取り込ませるからです。
しかし、生活習慣の乱れや慢性的なストレスがあると、食後に血糖値が140を超える「食後高血糖」が出現してきます。
そうなると、カラダは血糖値を下げるためにさらにたくさんのインスリンを分泌し、一気に血糖値を下げようとします。
すると血糖値は低下していきますが、中には下がりすぎて低血糖を起こしてしまう場合があります。これを「反応性低血糖」と呼びます。
カラダにとって低血糖は生命を維持するうえで大問題です。なので何が何でも血糖値を上昇させるため、交感神経を過剰に興奮させます。
これが繰り返されることで自律神経のバランスが崩れていきます。
4. 若い人でもみられる血糖の乱高下
血糖値の問題は中年以降の問題と思っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、上記のような食後高血糖とその後に引き起こされる反応性の低血糖は若い方にも起こっています。
実際私のクリニックにも血糖のトラブルを契機に自律神経が乱れてしまった患者様はたくさんいらっしゃいます。
朝起きれない、学校に行けない、立ち眩みがあり起立性調節障害と言われた
などの症状に悩まれているお子様の多くには、血糖の乱れを予測させるデータの異常が認められます。
5. 血糖値の整え方
自律神経を乱さないためには、血糖を乱さないことが大切です。
大きな血糖の変動ではなく、さざ波です。
そのためにはまず、食後の高血糖を起こさないことが重要です。
よく朝食を抜く方がいますが、朝食を摂取しないと、昼食や夕食後の血糖値が上昇しやすいことが報告されています。
なので朝食はしっかりと摂取しましょう。
また、早食いも血糖を急激に上昇させます。
ゆっくりとよく噛んで食べることが大切です。
また、食べる順番も重要です。
野菜⇨たんぱく質や脂質⇨糖質
の順番で食べましょう。全く同じメニューでも食べる順番が違うだけで血糖の上昇は変わってきます。
そして食べたあとはすぐに動きましょう。
よく、食後の運動は消化に悪いと言われます。
確かに消化のみで考えると激しい運動は良くないでしょう。
しかし、動いて筋肉を使うことでインスリンに頼らずに血糖を筋肉に取り込み、血糖値を下げることが出来ます。
なので、食後すぐに少し歩いたり、スクワットしたり、家事をしたりすることが大切であると考えています。
最後に、血糖値を乱さないためには腸内環境を整えることが重要です。
腸には食物が体内に入ってきたときに、インスリンの初期分泌を促す作用があります。
腸内環境が悪化すると、この初期分泌が低下し、食後高血糖を起こす原因になります。
また、腸内環境の悪化に伴い、体内には炎症が生じやすくなります。炎症は老化を促進させるだけでなく、インスリンの効き目も悪くさせてしまいます。
なので、血糖を乱さないために腸活に取り組むことが大切です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
まにわクリニックでは、血液検査をはじめとしたさまざまな検査と問診から、患者様の状態を把握し、栄養面、運動面、睡眠などの生活習慣のサポートを行なっています。
体調が気になるかた、自律神経にトラブルがある方、今の自分の状態が気になるなど、遠慮なくご相談ください。