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2024.09.07
院長ブログ
糖尿病になってしまったらするべきこと7選
日本には糖尿病の患者様が約1,100万人、予備軍も含めると2,050万人存在し、世界で第9位の糖尿病大国です。
糖尿病はただ血糖値が高いだけではなく、様々な合併症を引き起こし寿命を縮めてしまいます。
そこで今回は、糖尿病と診断されてしまった場合、何をするべきかについて解説します。
1. 糖尿病とは
糖尿病とは、血糖を下げるホルモンであるインスリンが十分にでない、もしくは十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖(グルコース)が増えてしまう病気です。
通常は空腹時血糖値(検査当日の朝食を取らずに測定した血糖値)が110mg/dl未満、75gのブドウ糖負荷試験で140mg/dl未満が正常と判断されます。この基準からずれてくると、血糖の調節に障害がある(耐糖能異常)と判断されます。(糖尿病の詳しい解説は「医者がなりたくない病気、糖尿病」を御覧ください
2. 糖尿病の原因とは?
糖尿病にいたる原因には以下のようなものが挙げられます。
3. 糖尿病でおこる合併症
糖尿病ではさまざまな合併症を引き起こすことが知られています。
代表的な合併症としては
糖尿病性神経障害
糖尿病性網膜症
糖尿病性腎症
などがあります。
糖尿病性神経障害は、糖尿病発症早期から認められることもあり、糖尿病と診断された時点で15%前後の人が神経障害を有していると報告されています(日本臨床内科医会誌 2001;16:2 4別冊)。
左右対称(主に足)に感覚が鈍くなったり、しびれや痛みなどを自覚する場合もあります。
糖尿病発症25年の経過で約50%の人が神経障害を有するとされています。
糖尿病性網膜症は、糖尿病発症10年前後で認めることが多いとされています。当初は「単純性網膜症」と呼ばれる状態ですが、放置すると3年で「前増殖糖尿病性網膜症」になり、その後2年で「増殖糖尿病性網膜症」にいたります。
糖尿病性網膜症は失明の原因の上位であり、注意が必要です。
糖尿病発症25年の経過で40%の人が糖尿病性網膜症を生じると報告されています。
糖尿病性腎症は、日本の透析の原因第一位です。
糖尿病発症5~10年で起こるとされています。尿にタンパクが漏れるようになってから平均10年で透析になるとされており、透析導入後は5年で50%の人が亡くなってしまいます。
こまめな検査や対応が必要です。
糖尿病性腎症は、糖尿病発症25年で30%の人が発症するとされています。
それ以外にも糖尿病の方は
- 認知症
- ガン
- 心臓病
- 足壊疽
- 感染症
- 骨粗鬆症
などの疾患にかかりやすいことが知られています。
4. するべきこと7選
糖尿病と診断されてしまった場合、するべきこととして大事な観点は2つです。
今、身体に生じている異常を評価する
これ以上糖尿病を悪化させない、できたら糖尿病を治していく
です。
身体に生じている異常を評価するとは、合併症の有無を評価していくことです。
そのためにするべきこととしては
① 網膜症がないか眼科に受診してチェックしてもらう
目は重要です。視力を失ってしまう原因として糖尿病は非常に注意が必要な病気です。
② 腎臓の機能をチェック
我が国の透析導入原因の第一位が糖尿病です。
腎臓は悪くなってからの対処では回復が期待できません。
そのためには早期発見、早期治療が重要です。
血液検査や尿検査でチェックが可能ですので、ぜひ主治医の先生に相談しましょう。
③ 血管病をチェック
糖尿病では血管病の合併が寿命を左右します。
血流の低下がないか、血管に詰まりはないかチェックすることができます。
血管の老化=ヒトの老化です。
これ以上糖尿病を悪化させない、治していくためにすべきこととしては
④ 歯周病、口腔内環境をチェック
糖尿病の患者様では歯周病を含め、口腔内衛生が悪化しているかたが多いです。
今、口腔衛生の悪化が、さまざまな疾患を悪化させることがわかってきています。
口腔衛生が悪化することで、体内に菌が侵入しやすくなり、身体に炎症を引き起こします。
炎症は老化の原因です。
また、炎症が生じると血糖管理が悪化します。
糖尿病を管理するためにも、糖尿病を良くするためにも口腔ケアは非常に重要です。
⑤ 腸内ケア
糖尿病と腸に関係があるの?
と思われる方も多いのではないでしょうか。
でもよく考えてみてください。食べ物は腸から吸収されます。腸内環境が悪いと血糖値が急激に上昇しやすくなります。
また、腸内環境が悪化することで体内に炎症を生じ、この炎症が血糖コントロールを悪化させます。
詳しくは「腸活」のブログを参考にしていただければと思います。
⑥ ミネラル、ビタミンの補充
ミネラルやビタミンは血糖値を安定させるためにも重要です。
特に亜鉛やビタミンDなどは血糖値の調節に関与していることが示されています。
魚介類、レバーなどを意識して食事をすることや、不足する場合にはサプリメントなどの活用も有効です。
⑦ ファスティング(断食)
ファスティング(断食)とは、文字通り食べないことです。
ファスティングのやり方には様々なものがあります。
1日おきに食事を抜いたり、カロリーを制限するもの、それを5:2の間隔で行うもの、1日のうちで8時間だけ食べてあとの16時間は食事をしないものなど様々です。
ファスティングをすることで、摂取カロリーが低下するため、身体にあまっている糖質や脂質を燃やすことができる他、身体にたまった老廃物を除去する効果などもあります。
単純なカロリー制限を行う場合、最初は体重が低下したり、血糖値が下がってきますが、日時が経つにつれて体内の代謝が低下し、効果が薄れてきます。
ファスティングの場合、食事を取る日もあるため、長期的に有効であると報告がされています。
ただし、体調や栄養状態、自律神経のバランスによっては向かない人もいるため、主治医やファスティングを指導してくれる専門家に相談するほうがよいでしょう。
いかがでしたでしょうか。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
箕面船場にあるまにわクリニックでは栄養指導を含め対応しています。
血糖のことが心配、実際に血糖が高いけど治療していないなどあれば一度ご相談ください。