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2024.12.02
院長ブログ
脂肪肝が心臓発作を増悪させる!?
みなさま、こんにちは
まにわクリニック院長の馬庭です
ところで
代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD:マッスルド/マッスルディー)
という疾患を聞いたことはありますか?
以前はNAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)と呼ばれていました。
肝臓に脂がたまる脂肪肝に加え、肥満、耐糖能異常、高血圧、高中性脂肪血症、低HDL血症のいずれかを併発している状態です。
検診などで脂肪肝を指摘される方は多いと思います。
そんな肝臓の病気ですが、
心臓発作を増やす可能性が指摘されています。
今回は2024年10月に発表された論文データをもとに解説します。
1. MASLD(マッスルド/マッスルディー)とは
肝臓に脂が溜まった状態を脂肪肝といいます。
以前はアルコールのとりすぎによるアルコール性脂肪肝が多かったですが、
食事の欧米化、ファーストフードやコンビニですぐに手に入る加工食品などによるエネルギー摂取量の増加により
アルコールが原因ではない非アルコール性脂肪肝が増加しています。
そのような脂肪肝に加え、
肥満、耐糖能障害(食後を含め血糖値が上昇しやすくなる状態)、中性脂肪が高い、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が低い
などの状態があわさると
MASLDと呼ばれる状態になります。
報告によっても多少ばらつきはありますが、
今の成人日本人の10~30%がMAFLDに罹患しているとされています。
つまり少なくとも1000万人の方が罹患しているということになります。
肝臓に脂肪が蓄積することで
● 解毒能力が低下
● ホルモンバランスの乱れが生じる
● 慢性炎症を引き起こす
などの弊害をきたします。
これらはいずれも心臓にも悪影響を及ぼします。
2. 脂肪肝が心臓発作を増やす!?
今回ご紹介する論文は
2024年10月に不整脈の専門誌であるHeart Rhythmに掲載された研究結果です。
921人の植込み型除細動器が埋め込まれている患者様が対象になっています。
平均年齢は58.5歳、25.7%が女性でした。
約3年間の観察期間のなかでの致死的な不整脈の出現頻度、心臓が原因の死亡、心不全入院などの発生頻度が評価されています。
結果として
脂肪肝がある患者のほうが
致死性不整脈が3.9倍
心臓が原因の死亡や心不全入院が2.04倍
高いことがわかりました。
もともと植込み型除細動器が埋め込まれているリスクの高い方の結果なので、
心臓に疾患をもっていない方に対してはもっとリスクは低くなることが考えられますが、
恐ろしい結果であると思います。
肝臓に脂肪がたまることで
ホルモンのバランスが崩れ
毒素が蓄積し
慢性的な炎症が引き起こされた結果
心臓にも悪影響を及ぼしていることが予測されます
3. まにわクリニックからの提案
肝臓に脂がたまってしまう一番の影響は
食後の高血糖
です
上がりすぎた血糖を処理するために中性脂肪が作られ、それが肝臓に蓄積してしまうのです。
心臓発作を増やさないために大切なことは
今の己の状態を理解する
ことです。
自分の肝臓の状態、血糖値の状態を把握し、もし異常がある場合はそれを是正していく必要があります
一般的な血液検査や腹部超音波(エコー)検査で肝臓の状態をチェックすることができます。
また自費診療にはなりますが、2週間にわたって1日の血糖値の推移をチェックしたり、尿検査などを活用して肝臓の機能、毒素の影響、解毒に必要な栄養素の状態などを把握し、個人にあった対処法を提案しております。
また、
当院では血液検査、心臓超音波、腹部超音波、24時間心電図などを用いて肝臓や心臓の評価ならびに治療を行っております。
肝臓の機能が心配な方、肝臓の機能を高めて心臓疾患のリスクを下げたい方、是非当院が提供する診療を受けてみませんか?
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
まにわクリニックでは、保険診療で行える血液検査や自費診療で行える各種バイオロジカル検査などを評価しながら、その方にあった栄養サポート、サプリメントのご提案などを行っております。気になるかたは一度ご相談ください。