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2025.05.30
院長ブログ
糖尿病になりにくい栄養素5選
~予防のカギは、食事にあった!~
「健康診断で血糖値が高めって言われた…」「家族に糖尿病の人がいるから心配…」そんなあなたに朗報です。
糖尿病は生活習慣病の代表格ですが、日々の食事で予防できることが分かっています。
今回は、最新の医学研究に基づいて、糖尿病になりにくいとされる栄養素を5つご紹介します。
毎日の食事に、ちょっとした工夫を取り入れるだけで、将来の健康が大きく変わるかもしれません。
ぜひ参考にしてください。
1. 糖尿病とは
糖尿病とは、血糖を下げるホルモンであるインスリンが十分にでない、もしくは十分に働かないために、慢性的に血液中を流れるブドウ糖(グルコース)が増えてしまい、血糖が上昇する病気です。
通常は空腹時血糖値(検査当日の朝食を取らずに測定した血糖値)が110mg/dl未満、食後のいずれのタイミングで測定しても血糖値は140mg/dl未満が正常と判断されます。この基準からずれてくると、血糖の調節に障害がある(耐糖能異常)と判断されます。この耐糖能異常がさらに悪化することで糖尿病を発症します。(糖尿病の詳しい解説は「医者がなりたくない病気、糖尿病」を御覧ください)
2. 糖尿病になりにくい栄養素5選
普段私たちが摂取している栄養素の中には、血糖値を上げにくくしてくれるものが含まれています。
このような栄養素を十分に摂取することで、糖尿病の発症を抑えることが可能になります。
では、どのような栄養素があるのかを見ていきましょう!
1. 食物繊維
食物繊維は糖の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を抑える働きがあります。さらに、腸内環境を整えることでインスリン感受性(インスリンの効きやすさ)の改善にもつながると報告されています(Chiu, S. et al. Dietary Fiber and Type 2 Diabetes Prevention. Diabetes Care. 2021.)。
食物繊維には、水に溶ける「水溶性」と、溶けない「不溶性」の2種類があり、どちらも糖尿病予防に有用です。
水溶性食物繊維は腸内でゲル状になり、糖の吸収を抑えることで食後血糖値の急上昇を防ぎます。
また、不溶性繊維は腸の動きを促進し、腸内環境を整えることで慢性炎症の抑制やインスリン感受性の改善に寄与します。食物繊維を豊富に含む食品を毎日バランスよく摂取することで、2型糖尿病のリスクを下げる可能性があります。
代表的な食材としては全粒穀物、オートミール、豆類、ブロッコリー、ニンジン、さつまいもなどが挙げられます。
2. オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸には炎症を抑える作用があり、インスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなること)を改善する働きがあるとされています(Patel, A. et al. Omega-3 Fatty Acids and Insulin Sensitivity. Nutrition. 2017.)。
オメガ3脂肪酸は、EPAやDHAなどに代表され、抗炎症作用により体内の慢性炎症を軽減します。慢性炎症はインスリン抵抗性の原因の一つとされており、オメガ3の摂取によってこれを改善できると報告されています。
また、心血管疾患の予防にも役立つため、糖尿病との合併症を予防する観点からも有用です。青魚や植物由来の油からの摂取が効果的です。
代表的な食材としてはサーモン、サバ、アジ、亜麻仁油、チアシード、くるみなどが挙げられます。
3. ビタミンD
ビタミンDの不足はインスリン分泌の低下や抵抗性の悪化と関連しており、十分に摂取することでリスクを低減することができます(Song, Y. et al. Vitamin D and Type 2 Diabetes Risk. Diabetes Care. 2006.)。
以前から骨の健康にビタミンDが重要であることがわかっていました。しかし近年の研究によって膵臓からのインスリン分泌を促進する働きや、細胞のインスリン感受性を高める作用があることがわかってきています。
近年、ビタミンD不足と2型糖尿病の発症リスクとの関連性が注目されており、日光浴と食事からの摂取の両方が推奨されています。特に、室内で過ごす時間が多い人や高齢者では意識的な補給が必要ですが、最近の報告では、日本人の9割でビタミンD不足が指摘されていますので、もっと多くの方でビタミンDの補給が推奨されます。
代表的な食材としては 鮭、卵黄、干ししいたけ、イワシ、チーズなどが挙げられます。
4. マグネシウム
マグネシウムは糖代謝やインスリン作用に関わっており、摂取量が多いほど糖尿病リスクが低下するとの報告があります(Hruby, A. et al. Magnesium Intake and Risk of Type 2 Diabetes. Nutrients. 2014.)。
マグネシウムには、インスリンの受容体における信号伝達を助け、糖の取り込みを促す役割があります。
不足するとインスリンの働きが鈍くなり、血糖コントロールが難しくなる可能性があります。
大豆や海藻など和食に馴染みのある食材に多く含まれているため、日常的に取り入れやすい栄養素ですが吸収率があまりよくないミネラルでもあります。またストレスに晒されることで消耗していきます。そのためストレスの多い現代人の多くが不足しがちなミネラルであるり、意識した摂取が求められます。
代表的な食材としてはナッツ類(アーモンド、カシューナッツ)、大豆製品、海藻、バナナ、玄米、ほうれん草などが挙げられます。
5. ポリフェノール
ポリフェノールには抗酸化作用と抗炎症作用により、血糖値の安定化とインスリン感受性の改善が期待されます(Hanhineva, K. et al. Polyphenols and Glucose Metabolism. Nutrients. 2010.)。
ポリフェノールは、植物に多く含まれる天然の化合物で、強力な抗酸化作用があります。血糖の吸収を抑える働きがあることや、インスリンの効きを良くする可能性が示唆されており、糖尿病予防に効果的とされています。
特に、ベリー類や緑茶、カカオ含有量の高いチョコレートなどは、食事や間食として取り入れやすいためおすすめです。種類ごとに作用が異なるため、多様な食品からの摂取が望まれます。
代表的な食材としてはブルーベリー、緑茶、ダークチョコレート、ナス、たまねぎなどが挙げられます。
3. 院長からの提案
理想は食材から必要な栄養素を十分に補給することです。そのためには
さまざまな食材を取り入れる
新鮮、旬な食材を利用する
などが大切です。
でも、食事のみでこれらの栄養素を十分に取り入れることは難しいですよね。なのでその補助役としてサプリメントを上手く活用することが有効ではないかと考えています。
巷にはさまざまなサプリメントが売られていますが、毎日取り入れるのであればサプリメントの質にもこだわっていただきたいです。
・十分な量の栄養素が入っている
・不要な添加物ができるだけ除去されている
・第三者機関でのチェックが行われている
などが質の良いサプリメントと呼べるのではないかと考えています。
当院では食事内容や症状、血液検査などから栄養状態を把握し、必要な食事内容、栄養素の提案、ご希望に応じてサプリメントのご案内などを行っております。
自分の栄養状態を知りたい
自分に必要なサプリメントを知りたい
などあれば、当院にご来院いただければ幸いです。
さらに健康を高めたい方には、自費診療のサプリメント外来、栄養療法外来をご検討ください。
無料相談も行っておりますのでお気軽にお越しくださいね。