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2025.12.25
院長ブログ
【切らない手術】日帰りで完治!最新のカテーテル・グルー治療とは

まにわクリニック院長の馬庭です。
「手術」と聞くと、入院や長いリハビリを想像されるかもしれません。
しかし、下肢静脈瘤の治療は劇的に進化しました。
現在は「切らない・日帰り手術」が主流です。
今回は当院で行う日帰り静脈瘤手術について解説します。
アジェンダ:
- 昔の手術(ストリッピング)との違い
- 最新治療:血管内焼灼術(レーザー・高周波)
- さらに新しい:グルー治療(医療用接着剤)
- 解決策:あなたに合った治療法の選択
1. 「手術=大変」は昔の話。ストリッピング手術との違い

ひと昔前まで、下肢静脈瘤の手術といえば「ストリッピング手術(静脈抜去術)」が主流でした。これは、足の付け根と膝のあたりを数センチ切開し、悪くなった静脈をワイヤーで引き抜くという方法です。
全身麻酔や下半身麻酔が必要で、1週間程度の入院を伴うことも多く、術後の痛みや出血、大きな傷跡が残ることが患者様の大きな負担となっていました。
しかし、医療技術の進歩により、現在は「切らない治療」が標準となりました。
これからの治療は、入院の必要がありません。局所麻酔(歯医者さんの麻酔のようなもの)で行うため、体への負担が非常に少なく、手術当日に歩いて帰宅できます。
「手術」という言葉のイメージがガラリと変わるはずです。
2. 現在のスタンダード:血管内焼灼術(レーザー・高周波)

現在、最も多く行われているのが「血管内焼灼術(しょうしゃくじゅつ)」です。
これは、膝の内側などから針を刺し、そこから細い管(カテーテル)を静脈の中に挿入します。そして、カテーテルの先端から出る熱(レーザーや高周波)で血管の内側を焼き、塞いでしまう治療法です。
塞がった血管は徐々に体に吸収されてなくなります。
メリット:
- 傷跡が目立たない: 針穴程度の小さな傷で済みます。
- 手術時間が短い: 片足20〜30分程度で終了します。
- 日常生活への復帰が早い: 手術直後から歩行が可能で、翌日からはデスクワークなどの仕事や家事も可能です。シャワーも翌日から浴びられます。
これまで多くの患者様がこの治療を受け、足の悩みから解放されています。
3. さらに新しい選択肢:グルー治療(血管内接着剤)

血管内焼灼術よりもさらに新しい治療法として登場したのが、「グルー治療(VenaSeal)」です。
基本的な手順は焼灼術と同じでカテーテルを使いますが、最大の違いは「熱」ではなく、人体に無害な「医療用瞬間接着剤(グルー)」を使って血管を塞ぐ点です。
グルー治療ならではのメリット:
- 熱によるリスクがない: 熱を使わないため、血管の周りにある神経への影響や、皮膚の火傷のリスクがほぼゼロになります。
- 麻酔が少なくて済む: 焼灼術では熱から周囲の組織を守るために血管の周りに麻酔液を注入しますが、グルー治療ではその必要がありません。針を刺す回数が格段に減るため、治療中の痛みがさらに少なくなります。
4. 解決策:あなたに「ベスト」な治療法を一緒に選びましょう

「焼灼術とグルー治療、どっちがいいの?」と思われるかもしれません。 実は、すべての患者様にグルー治療が適しているわけではありません。血管があまりに太かったり、体質によっては、焼灼術の方が適していることもあります。
大切なのは、患者様の
「血管の状態(太さ、曲がり具合)」と「ライフスタイルやご希望(痛みに弱い、肌がアレルギー体質など)」
に合わせて、最適な治療法を選択することです。
まにわクリニックでは、血管専門医がエコー検査の結果をもとに、それぞれの治療法のメリット・デメリットを分かりやすくご説明し、ご納得いただいた上で治療方針を決定します。 「どの治療が自分に合っているか知りたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。