News Detail
お知らせ詳細
2025.05.24
院長ブログ
医師(医者)がお伝えする、糖尿病の原因5選
糖尿病は実にさまざまな合併症を起こしてしまいます。
医者である私も糖尿病にはなりたくないと思っています
では、なぜ人は糖尿病になってしまうのでしょうか
そこで今回は、糖尿病の原因について5つピックアップして解説します。
1. 糖尿病とは
糖尿病とは、血糖を下げるホルモンであるインスリンが十分にでない、もしくは十分に働かないために、慢性的に血液中を流れるブドウ糖(グルコース)が増えてしまう病気です。
通常は空腹時血糖値(検査当日の朝食を取らずに測定した血糖値)が110mg/dl未満、75gのブドウ糖負荷試験で140mg/dl未満が正常と判断されます。この基準からずれてくると、血糖の調節に障害がある(耐糖能異常)と判断されます。(糖尿病の詳しい解説は「医者がなりたくない病気、糖尿病」を御覧ください。
2. 糖尿病の原因5選
それでは糖尿病の原因について解説していきます
原因1:肥満(特に内臓脂肪)
内臓脂肪が多いと、血糖を下げるためのホルモンであるインスリンに対して抵抗性が高まり、インスリンが効きにくくなります。これが高血糖を引き起こし、糖尿病のリスクが増します。
(Visceral fat accumulation is strongly associated with insulin resistance and type 2 diabetes.”
Kahn SE. The importance of β-cell failure in the development of type 2 diabetes. Am J Med. 2005)
原因2:運動不足
筋肉はブドウ糖を消費する重要な器官です。運動をすることによってインスリンの存在に関係なく、糖が筋肉細胞に取り込まれて消費していきます。
運動不足により筋肉量が減ると、血糖の消費が減り、血糖値が上がりやすくなります。
(Physical inactivity contributes to insulin resistance and impaired glucose metabolism.”
Bassuk SS, Manson JE. J Appl Physiol. 2005)
原因3:高カロリー、高糖質な食事
米、パン、スイーツなどの高糖質食品を多く摂ると、血糖値が急上昇しやすくなります。これが膵臓からのインスリンの分泌を過剰にします。これが慢性的に続くと膵臓の細胞が疲弊していき、結果的に機能低下を招きます。
(High glycemic index foods are associated with increased risk of type 2 diabetes.”
Salmerón J et al. JAMA. 1997)
原因4:遺伝的要因
家族に糖尿病患者がいると発症リスクが高くなります。遺伝的にインスリン分泌が弱い、あるいはインスリンに対する感受性が低い場合などは、糖尿病の発症率を高めてしまいます。
また、子どもがお母さんのお腹の中にいているときに、母体の栄養環境が悪いと糖尿病の家系ではなくても、生まれてくる子どもは糖尿病になりやすくなります(DOHaD仮説)。
(Family history is a strong risk factor for type 2 diabetes.” Meigs JB et al. Diabetes Care. 2000)
原因5:ストレスと睡眠不足
ヒトはストレスがかかるとストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が上昇します。このコルチゾールは血糖値を上昇させます。慢性的にストレスがかかることでコルチゾールが出続け、結果血糖値が上昇していきます。また睡眠不足はコルチゾールの分泌を狂わせたり、インスリン感受性を低下させます。
(Sleep deprivation and stress increase insulin resistance and blood glucose levels.”
Spiegel K et al. Lancet. 1999)
3. ならないためにするべきこと
解決策:生活習慣を整えることがカギ!
大事なことは、元を断つことです。
以下のような生活改善を取り入れて改善していきましょう
● バランスの取れた食事(野菜・たんぱく質中心)
● 週に150分以上の適度な運動(ウォーキングなど)
● 質の良い睡眠(7時間以上)
● ストレス管理(瞑想・趣味など)
● 定期的な健康診断
糖尿病は「生活習慣病」とも呼ばれる通り、日々の選択が大きな鍵を握ります。正しい知識を持って、自分自身の健康を守りましょう。
また、今のご自身の状態をしっかりと把握することも大切です。
まにわクリニックでは血液検査や血管検査、超音波検査などを行い、血糖の乱れやそれに伴う身体の変化がないか確認し、それぞれに応じたアドバイスも行っております。
血糖のことが心配、実際に血糖が高いけど治療していないなどあれば一度ご相談ください。